独占インタビュー:スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2022に殴り込み!キプロスのMonsieur Doumani

富山県南砺市は1991年(平成3)に開催されて以降、国内外から様々な音楽家を招いて開催され、今年で30回目を数える国内有数の音楽フェスティバル「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」の開催地として知られる国際的な文化プログラムの中心地だ。

スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2022に参加したミュージシャンを世界地図に示したボード

新型コロナウイルス感染症をはじめとする数々の困難を乗り越えリアル開催された今年のスキヤキにはキプロスからムッシュー・ドゥマニ(MONSIEUR DOUMANI)が参加。2012年キプロス・ニコシアで創設され、伝統音楽と現代音楽を融合させたその音が世界各地で絶賛されている注目のバンドだ。彼らキプロス人は、ギリシャ人と同じくギリシャ語を用い、ギリシャと同じ国歌を戴いている。

現在のバンドのメンバーは、伝統楽器ジューラの演奏のほかヴォーカルも務めるアンドニス・アンドニウ、トロンボーン、フルートを担当するディミトリス・ヤセミディス、そしてギター、編曲を担うアンディス・スコルディスの3名だ。スキヤキの責任者ニコラ・リバレ氏から招へい状を受け取った彼らは、この夏スキヤキの本拠地富山県南砺市から東京・渋谷、そして最終目的地の沖縄・那覇まで、彼らの音楽を伝えるべく旅を続けた。

そんな彼らは昨年2021年4枚目のアルバム「Pissourin」をドイツのGlitterbeat Recordsからリリース。現在5枚目のアルバムのリリースを準備中だ。メンバーのうち、ディミトリスとアンディスはクラシック音楽に、アンドニスはジャズにそのルーツを持ち、それぞれロックを始め前衛的な音楽、そしてキプロス伝統の音楽まで幅広い音楽を愛していると言う彼らは「もちろん私たちは伝統音楽を愛していますが、国の伝統に根ざした伝統音楽を奏でるだけのミュージシャンではありません。伝統的な楽器を用いて音楽活動を続けているというだけなのです」と自分たちのパフォーマンスについて語っている。

また彼らはGreeceJapan.comのインタビューに対し「ただ伝統的な音楽を再現するだけでなく、伝統を現代に翻案した新たな方法を見つけたいと考えています。私たちは自分たちならではのやり方で、そういった目的を果たす方法を見つけ、それを進化させるべく活動しています。1枚目から4枚目までのアルバムを聴くと、アプローチの方法が大きく異なるのをお分かりいただけるかと思います。1枚目のアルバムではオリジナルの楽曲は2曲でしたが、今はすべてオリジナルの楽曲でアルバムを構成しています。こうして、少しずつ自分たちならではの特色を出そうと試みています」と語っている。

MONSIEUR DOUMANIのメンバーが日本を訪れるのは今回が初めてのことだ。「日本を訪れるのは一生の夢だった」と告白する彼らはまた「私たちは日本の音楽、映画、文化、食べ物が大好きです。そんな私たちにとって、今、ここ日本に居ることがなによりも大切なことなのです」とも告白。中でも日本の音楽が好きだと語るアンディスは、雅楽、尺八、太鼓を始め、伝統的な日本の音楽から多くのインスピレーションを受けたといい、メンバーのそれぞれも新旧の日本映画を愛好しているという。

南砺入りする前、東京で初来日の数日間を過ごした彼らにその印象を尋ねたところ「整理してお話するにはたくさんの情報がありすぎて困ってしまうのですが…まず印象に残っているのは街の大きさ、人の多さ、清潔さ、そして洗練された組織でしょうか。特に印象深く思われるのが、あれ程の数の人々が集まっているというのに、信じられない程静かだということです。キプロスから来た私たち4人組の方が、周りの数千の日本の方々よりずっと騒がしかったのではなかったかと考えているところです」と語ってくれた。

南砺公演、東京公演、そして沖縄公演を終えた後の活動について尋ねたところ、彼らは「日本での公演の後は、ルーマニアに行く予定です。今年7月に開始した世界ツアーはこれで一段落を迎えることになります。ルーマニア公演を終えた後はキプロスに戻り、しばらく休息をとって新アルバムの制作に集中するつもりです。その後、11月から再びヨーロッパツアーを開始する予定です」と教えてくれた。

熱いライブパフォーマンスで会場の人々を文字通り総立ちにさせ、キプロス音楽に馴染みのない子どもが自分たちの音にあわせて踊るという観客のレスポンスに感動したと語る彼らは「私たちは旅するのが好きなんです。今まで知らなかった土地を知る、そのためのパスポートと言えるのがまさに音楽なんです」とインタビューの締めくくりに語る彼らは、自分たちのルーツをその根幹に置き、世界の音楽を積極的に取り入れつつ、ノスタルジーを超えた新世代のキプロスの音楽を追求し続けている。

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南砺公演のラストにGreeceJapan.comにエールを送るMonsieur Doumaniのメンバー

リハーサルを終え束の間の休息を取るMonsieur Doumaniのメンバー

また、南砺でのライブ翌日の28日(日)開催されたワークショップ「踊るキプロス」では、メンバーとともに来日したソクラティス・スヒザス氏がキプロスの文化を説明するとともに、伝統的なダンスを披露。説明を終えた後には早速「撮るのもいいけれど、踊ろう!」と参加者を誘い踊りを伝授。最後には多くの参加者が踊りの輪に加わり、会場はさながらキプロスの祝祭の日を思わせる和やかな雰囲気に包まれた。

Monsieur Doumaniのメンバーとキプロスの文化とダンスを披露したスヒザス氏ほかワークショップ参加者ら

photos: Junko Nagata ©GreeceJapan.com

ワークショップでのダンスレッスンの様子はこちらから

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永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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