コンスタンティノープルのギリシャ系共同体家族の歴史を描くヴィキ・ドラク著『ヴィクトリア』、福田耕佑訳で出版

ギリシャの誇る世界的作家ニコス・カザンザキスの 『禁欲』、現代ギリシャ詩人の詩を集めた『現代ギリシア詞華集』ほか数々の現代ギリシャの文学作品の翻訳を手掛ける気鋭の研究者、大阪大学人文学研究科/日本学術振興会 特別研究員(PD)の福田耕佑氏が、コンスタンティノープルのギリシア系共同体の歴史を描くヴィキ・ドラクの作品『ヴィクトリア』を今年11月15日に翻訳出版する。

日本ではあまりなじみのない、イスタンブル(コンスタンディヌポリ或いはコンスタンティノープル)のギリシア系共同体のある家族が、如何に帝都で生きて亡くなったのか、政治や戦争による災厄に巻き込まれ如何に故郷を追われることとなったのか、そして如何にして新天地のテッサロニキに定住して新しい生活を切り拓いていったのかを明らかにするという本書について、福田氏は「人名や地名には馴染みのないものが多いかもしれませんが、多文化共生や移民ということ、過去と向き合うことで如何に未来へと進んでいくのかということ、そして家族とは何かということを改めて考えさせてくる良作です。是非多くの方に読んでいただけましたら幸いでございます」と結んでいる。

書籍は主にAmazon.jpにてオンデマンド印刷での販売。併せて通常印刷版が部数限定で出版元・京緑社からインターネット限定で販売される予定。

[ 福田耕佑氏コメント:『ヴィクトリア』出版に寄せて ]

「ヴィクトリア」は著者ヴィキ(ヴィクトリア)の祖母であり、帝都に生まれて帝都で亡くなった女性です。この書籍は家族の事績を物語りつつ、帝都のギリシア人共同体の日常を克明に記録しており、第一次世界大戦と住民交換でギリシア人が被った混乱と災禍を克明に伝え、第二次世界大戦期の宗教マイノリティの徴兵と財産税、そして1955年のギリシア人を狙い撃った暴動と1964年のキプロス紛争によるギリシア人の集団的なギリシアへの逃亡を伝えています。また、この書籍が他の書籍と比べて特異な点は、テッサロニキへの難民の移住のみならず、定住の過程を描いた点、そして第二次世界大戦期のユダヤ人とホロコースト、そしてギリシア人との交流を描いた点で特異だと考えています。このような歴史を前にしてもトルコ人への憎しみはなく、よくしてくれたトルコ人への感謝を述べつつ、家族と民族の歴史を受け入れて前に進んでいこうとする姿勢には非常に強い感銘を受けました。

[ 書籍情報 ]

『ヴィクトリア』(Βικτωρία-Μαρτυρίες και αναμνήσεις από την Πόλη…σαν μυθιστόρημα)

著:ヴィキ・ドラク(Βίκη Δράκου)
訳:福田耕佑
出版社:京緑社
発売日:2025/11/15
言語:日本語
ページ:510ページ
ISBN-10:490972785X
ISBN-13:978-4909727855
寸法:14.81 x 3.25 x 21.01 cm

*Amazon オンデマンド版(ペーパーバック/4,085円/税込)書籍販売ページはこちらから
*部数限定の通常印刷版(5,500円/税・送料込)の販売は、京緑社ウェブサイトの「お問い合せ」より「『ヴィクトリア』通常印刷版について」とタイトル欄に表記の上、要問合せ

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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