しがしが留学記・番外編:福田沙也加のギリシア語留学(前編)

ギリシャ第二の大都市・テッサロニキのアリストテリオ大学哲学部で訪問研究員生活を送る福田耕佑が、ギリシャ滞在生活を通じた留学記をつづる「しがしが留学紀」。今回は番外編として、筆者夫人である福田沙也加氏が、人生初の海外生活となるギリシャで、一からギリシャ語を学び、この度ギリシャ語検定試験・B2に見事合格を果たしたその経験と、ギリシャでの生活についてつづる「留学記」番外編を前後編にわけてご紹介します!お楽しみください!

・福田耕佑のテッサロニキ「しがしが」留学記:過去記事はこちらから!


こんにちは。福田沙也加と申します。普段しがしが留学記を書いている福田耕佑の妻です。今回と次回の記事を執筆させていただこうと思っていますが、夫と共にギリシアで時間を過ごした中で主に私はギリシア語勉強に力を入れたため、そのことについて少しだけ自分の経験を書かせていただこうと思います。最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

・旅立ち、初海外生活!

まさか自分が、人生の中で海外生活をする日が来るとは思っていませんでした。まさか英語というか外国語が必要になる時が来るとは思っておらず、もう少し英語を勉強しておいたらよかったと思ったり、思わなかったり、と思っている間にとんとん拍子に色々なことが決まり、本当に海外に住むことに話が進んでいきました。一応留学前の2018年に一度夏休み期間にテッサロニキに旅行に来ていたので、街の雰囲気は見たことがあり、ギリシア料理も口にあったので、なんとか生活できるだろうと考えてはいました。

2019年の8月に夫がギリシアのテッサロニキに留学することになり、私は英語を話すことができないので、日常会話のためにテッサロニキ大学のギリシア語の授業を受けることになりました。そして、ギリシアに来る前に、少しだけでもギリシア語を知っていた方が良いと思い、ギリシア人の友達にギリシア語を少しだけ教えてもらいました。日本語で書かれたものではなくギリシア語のテキストを使用して発音から始まり文法も少し勉強しました。

ギリシアに旅立つ前に日本でテッサロニキ大学のギリシア語の授業を申し込み、レベルテストをネットで受けました。そしてギリシアに到着して10月からA1の授業が始まりました。私が申し込んだのは、1年間の週10時間コースで、週3回授業があるものです。A1(初級レベル)の授業中は、英語とギリシア語の両方で説明をしてくれました。

・海外で初めて受ける授業

初めての海外で、夫は別の講義があるので私は授業の行き帰りも一人で、クラスでも知り合いがおらず一人なので、授業が始まる前までは語学の先生が話していることが分かるか大丈夫かなぁととにかく不安でした。

初めの授業は、他己紹介から始まりました。15人前後の生徒数で、隣の人のことについて話を聞き、紹介をするというもので、英語ができないに等しいのでほぼ隣の人と話すことができず、本当に先行きが思いやられました。
授業は文字と発音から始まり、舌の位置がどの位置にあって発音するか等教科書だけでなく、先生が準備したプリントも使って練習しました。自分の名前をギリシア文字で書いてアクセントをなんとなーくつけ、ギリシア語で話す練習をしていきました。また、Καλημέρα! (こんにちは)Τι κάνεις;(元気?)と挨拶の言葉を習いました。不思議なことにこの挨拶のやりとりは教科書だけではなく、実際に毎日の日常でギリシア人たちが使用しています。スーパーでもパン屋でも近所の人とでもどこに行っても使える挨拶の言葉です。テッサロニキのギリシア人は、みんな友達かのように、初めて会った人でも普通に話したり話しかけたりします。私もよく話しかけられました。道を歩いていたり、バス停でバスを待っていたりする時に話しかけられるので、初めは急に話しかけられてびっくりしましたが、あぁこれが日常茶飯事なんだなぁと気づき、慣れていきました。最初はギリシア語が聞き取れず、質問に答えられない時もありましたが、段々と耳も慣れていき話せるようになっていきました。まだまだ難しいですけど。

文法は先にギリシア人の友達から日本語で学んでいたこともあり、英語とギリシア語の説明でも理解がしやすかったです。それに加え、動詞や副詞等の文法用語をギリシア語で知っていたので大分助かりました。ただ冠詞やちょっとよくわからない文法のところは家で夫に説明してもらい、理解するように努めました。授業中は、一つの文法の説明が終わる事に先生が理解したかどうかをみんなに確認しながら進んでいったので、私にとっては早くも遅くもなく理解ができるちょうどいいペースで授業が進んだのでよかったです。

初めて海外で授業を受けてみて個人的に感じたことですが、私が学生の頃に受けていた日本の授業では積極的に質問することがなかったような記憶があり、自分でも自分が何を理解できていないのかわからずそのまま放置していましたが、ここではドイツ人の生徒が些細なことでも、たくさん質問してくれたお陰でさらに文法の理解ができたように思います。授業は堅苦しい感じではなく、ドイツ人が授業中にバナナや自宅から持ってきた弁当を食べ始める程に和気あいあいとした雰囲気でした。また毎週3回も顔を合わせるので、仲良くなりやすい雰囲気でした。カルチャーショックと言えばカルチャーショックだったと言えるかも知れません。

宿題も結構な量が出るので、いい復習にもなり、少しずつ単語も覚えていくことができました。単元が終わるごとに小テストもあったため、必然的に単語や文法の勉強をしなくてはいけなくなり、少しずつ身についていったように思います。A1レベルが終わる頃には、簡単な会話ができるようになりカフェに一人で行ってギリシア語で注文できるようになりました。A2レベルが終わる頃になると、文章を書く宿題も出るようになり、自分の国の紹介や料理、お伽話等を書くようになりました。授業中に隣同士で話す練習も多く、文法を知り、話し、そして書くという作業を繰り返し繰り返し行なっていきました。

クラスの中は色々な国から来た人が多く、やはり話し慣れた言葉の方が友達になりやすく、英語を話せる人とドイツ語やロシア語を話せる人同士でよく集まっていました。幸い韓国人がクラスに2人いて、私は韓国語を少し話すことができたので休憩時間に話す友達ができてちょっと息抜きになりました。しかし、ビザの関係で韓国に帰国しないといけなくなり残念でした。

授業も4ヶ月程経過するとビザや仕事の関係で来なくなる人が多くなり、生徒数も半数に減ったくらいで、エラスムス奨学生や途中参加の人たちが2月頃に5人程追加されました。エラスムス奨学生は、ギリシアに来る前からギリシア語を勉強している生徒でギリシア語がペラペラだったので、なんでA1クラスに来るのかなぁと思いました。

余談ですが、ギリシア人はとにかく集まって話すのが大好きで、休日や夜はカフェやレストランや家に大人数で集まってワイワイと過ごします。私たち夫婦も度々ギリシア人のお宅に呼ばれることがあり、ギリシア料理を振舞っていただきました。昼過ぎくらいに集まり、話しながら料理を準備し、日本で言う夜ご飯時に食べ始めます。夜ご飯を食べ終わるとデザートを食べ、そしてお笑いのDVDを見せてくれたり、音楽を聴いたり、話したり、帰る頃にはすっかり日も暮れ深夜ということがしばしばありました。ギリシア人はとにかくもてなすのが大好きで、長時間一緒に楽しく過ごすのが好きな人たちだと思いました(ギリシアでは、15時くらいに昼ご飯を食べ、21時くらいに夜ご飯を食べる人が多いと聞きました。また、若者は23時くらいから街に繰り出し午前2時くらいまでバーで喋って帰ってきて、次の朝6時とかに起きる人もいるらしく、ギリシア人元気すぎ!と思いました。最初はその事実にびっくりしましたが、夏は21時半くらいまで外が明るいので住みながら納得しました)。

ずっと使っていた日本語とギリシア語の辞書

左:A1クラスの教科書/右:A1クラスの問題集

そうこうしているうちに、今尚全世界を悩ましているコロナウイルスがじわじわとギリシアにもやって来たのでした。そして2020年3月大学が閉鎖され、私たちのクラスもいろいろがらりと変わっていくことになりました。

→後編につづく

 

福田  沙也加

福田  沙也加

福田沙也加です。福田耕佑の妻で、夫の研究のためギリシアのテッサロニキに共に留学し、ギリシア語を勉強しています。趣味は料理、ギリシア語以外には韓国語が少しできます。

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