【ギリシャ・音楽・歌】第11回:ギリシャの作曲家サノス・ミクルツィコス亡くなる

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眼鏡にヒゲの男性がミクルツィコス氏/CDジャケット:筆者所蔵

(文:永田純子)

クリスマスも過ぎ、半世紀を経て再び東京でオリンピックが開催される年を来年に控えた2019年12月28日(土)夜、ギリシャの戦後の現代歌謡に確かな歴史を築いた作曲家の一人、サノス・ミクルツィコスが肝臓がんのため72歳でこの世を去りました。

サノス・ミクルツィコスは1947年4月13日ギリシャ・パトラ生まれ。幼い頃からピアノを学び、長じてアテネ大学で学んだ彼は1960年代から音楽活動を開始。1975年に発表されたレコード『ポリティカ・トラグディア』で本格的に作曲家としてデビューを飾った後は、詩人ヤニス・リッツォス、ギリシャの作詞家マノス・エレフセリウ、船乗りとして日本にも寄港した経験を持つギリシャ人作詞家ニコス・カバディアスらを始めとした様々なアーティストらと作品を作り続けて来ました。

ピアノが刻むドラマティックな旋律と歌い手の力量を問うその曲は、ハリス・アレクシーウ、ヨルゴス・ダラーラスといったギリシャを代表する歌手からギリシャロックの旗手バシリス・パパコンスタンディヌに至るまで数多くの一流歌手らを魅了、自らの作品を含め、これまで彼が製作者として関わって来たアルバムは50以上に渡っています。

そんな彼の活躍は作曲家としての活動にとどまらず、1993年から1994年までの期間ギリシャの文化副大臣として活躍。1994年に『日曜はダメよ』をはじめとした映画で今もその名を知られるギリシャの女優メリナ・メルクーリが亡くなった時には1996年まで文化大臣を務めました。

戦後ギリシャがたどった苦難の時代を知るアーティストがまた一人この世を去った今、日本と関係のある2曲を皆さまにご紹介して、自らの人生を音楽に捧げたミクルツィコスに対する追悼としたいと思います。1曲目は2019年2月姉妹島の小豆島を訪れたミロス島の子供たちが披露したアルキス・アルケオス作詞・ミクルツィコス作曲の男性歌手ディミトリス・ミトロパノスが愛する女性・ローザを歌い上げる名曲「ローザ」、そして2曲目はニコス・カバディアス作詞・ミクルツィコス作曲の男性歌手ニコス・クトラスが歌う「黒潮(原題:KURO SIWO)」です。

彼の葬儀は現地時間30日(月)14:30からアテネの第一墓地で市民葬として行われる予定です。

[ ローザ/唄:ディミトリス・ミロトパノス ]

[ 黒潮(原題:KURO SIWO)/唄:ニコス・クトラス ]

 


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永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbyweb 、および 英語版ニュースのGreek.world の共同創設者。

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