GreeceJapan.com独占インタビュー:古代ギリシャの格闘技・パンクラチオン王者ヨルゴス・トスニディス

古代オリンピック競技の一つに数えられる格闘技、それがパンクラチオンだ。打撃、蹴り、組み合いといったあらゆる動きを取り入れたこの競技で、今年10月の世界大会で三度目の優勝に輝いたのがギリシャ人格闘家ヨルゴス・トスニディスだ。 1990年ギリシャの名峰オリンポス山に抱かれた地・カテリニで生まれ、幼い頃から空手家として活躍した後、パンクラチオンのコーチ、ヤニス・トパリディス氏に師事し夢を掴んだトスニディスが、GreeceJapan.comに優勝の喜びと競技の魅力、そしてその将来について語ってくれた。

(聞き手:永田純子/GreeceJapan.com)


ロシア・モスクワで今年10月6日(土)から7日(日)まで開催されたパンクラチオン世界大会での3度目の優勝おめでとうございます。まずは今回の優勝についてお話いただけますか。

怪我をはじめとした様々な困難を乗り越えつつ、身体的・精神的な鍛錬を重ねた上で得たこの結果に嬉しい気持ちでいっぱいです。幸いにして、そういった困難も、私から勝利を遠ざける障害にはなりませんでした。忍耐と鍛錬をもってすれば、あらゆることが可能なのです。

ギリシャのスポーツであり、また古代オリンピック競技の一つとしても数えられるパンクラチオンについてご説明いただけますか?

パンクラチオンはギリシャ人にとって古代から続く最も歴史あるスポーツです。レスリング、蹴り、ボクシングを一つにしたものです。例えて言うならば、全ての格闘技の母とでも言えるでしょうか。紀元前648年に行われた第33回の古代オリンピックに登場し、その勇猛さで人気の競技であったと言われています。 古代オリンピックの最終日に競技が行われたパンクラチオンは、古代ギリシャ語で「オリンピックの最高峰」と称されるほど重要な競技だったのです。

現代において、パンクラチオンはその他の格闘技ほど世の中で知られている訳ではありません。これについて、どのようにお考えでしょうか。

パンクラチオンが再び現代に甦ったのは90年代のことです。1996年に公式な競技連盟が設立されて以降、現在に至るまでおよそ20年の歴史を持つ新しい競技です。確かに他の格闘技に比べて有名とは言えませんが、それも「新しい」スポーツゆえのことでしょう。しかし最近では、世界各国で続々と競技団体が設立されるなど競技環境に大きな進展が見られているところです。

パンクラチオンの2018年全ギリシャ選手権でのトスニディスの一撃。伝統的な道着が印象的。

近代オリンピックの競技として採用される可能性についてはどう思われますか。ギリシャ国内外における普及状況について教えてください。

パンクラチオンが近代オリンピックの競技に採用される可能性は充分にあります。それが連盟の狙いでもあります。競技人口も世界の45の国と地域にまで拡大している今、観客に得難い観戦体験をもたらすこの競技が、その価値にふさわしい地位を獲得することを願ってやみません。 パンクラチオンは打撃、蹴り、掴み、引き倒すといった一連の動きを組み合わせた非常に複雑かつ、持てる全ての力を使い尽くすことを求める競技であると言ってよいでしょう。

世界の頂点を極めた今、何を将来の目標として考えておられますか?

将来は若いアスリートたちに私の経験を伝えながら、コーチとして活動していきたいと思っています。いずれにせよ、競技者としての活動は続けていくつもりです。私がこれまで獲得してきた数々のタイトルを守り続けて、いずれはパンクラチオンの伝説になるのが夢ですね。

第1回近代五輪が開催されたパナシナイコ・スタディオに立つヨルゴス・トスニディス

最後にGreeceJapan.comの読者へメッセージをお願いします。

日本の皆さんは規律正しく、己の目標に対して忠実かつ献身的な方々であるという印象を持っています。私からお伝えしたいのはただ一つ、歩みを止めてはいけないということです。叶わないことなど何もないのですから!


[2018年10月6日(土)・7日(日)に行われた世界選手権の映像(Video)]

永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbyweb 、および 英語版ニュースのGreek.world の共同創設者。

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