J.A.C.E.第2回上映後Q&Aレポート

J.A.C.E.第2回上映後Q&Aレポート

27日(木)の第2回上映は、24日(月)の第1回上映より多くの来場者があったと、映画祭事務局からの発表があった上映当日。メネラオス・カラマギョーリス監督はTOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン2前で開場を待ちながら、観客がJ.A.C.E.のチケットを手に入れようと長い列を作る姿を写真に収めていました。一人の映画監督として、これほど多くの観客が自分の映画に興味を示しているところを目にすれば、誰もが興奮せずにはいられないでしょう。

もちろんこの日もJ.A.C.E.にとっては記念すべき日となりました。24日同様、上映後のQ&Aではどの観客も最後まで席を立つことはなかったからです。この日は監督に加え、主役のJ.A.C.E.を演じたアルバン・ウカズ氏も劇場に姿を現し、ほんの一日前に東京に着いたばかりであることを告白しました。ウカズ氏はまず、今年3月日本を襲った大地震と津波による大災害について触れ、「これほどの大災害においても冷静さを失わない日本の方々に対し驚きとともに心から敬意を表します」とあいさつしました。Q&Aは、司会者の「なんだかアルバンさんのお声を聴くのが不思議な気がします。劇中では沈黙を守っていらしたので…」とのひとことで劇場中が笑いに包まれる中和やかに始まりました。

ある観客はカラマギョーリス監督に対し、美術・ロケーションを含め映画のすべてが完璧にコントロールされていることに触れ、監督は相当の準備とリサーチをされたのでは、と問いかけました。監督はこれに答え、確かに相当のリサーチを行ったことを認め、またそれが単にシナリオをはじめとした映画のストーリーのためだけでなく、俳優たちの、特にもっとも難しい役どころを演じなければならなかった主演・ウカズ氏のためであることを付け加えました。またある女性はJ.A.C.E.の沈黙について尋ねました。ウカズ氏は、この沈黙は単にしゃべらないということではなく、J.A.C.E.の意思を伝える一つの方法であると語りました。「J.A.C.E.の沈黙は、彼が生き抜いてきたあまりに過酷な日々の中で、自分自身を守るためのひとつの方法だったのです。」

監督は、ウカズ氏が入魂の演技を見せたことに触れ、J.A.C.E.の沈黙は彼の父の最後の言葉「話してはいけない」をかたく守るがゆえであると語りました。 「J.A.C.E.がその誓いを破るのはただ一度、初めて愛した女性を救わなければならない時なのです。その時彼は初めて自分のやり方を変えます。彼女を救うために嘘をつきながら…」
Q&Aは時間ぎりぎりまで続きましたが、おそらく時間が許せばいつまでも終わらなかったことでしょう。観客はしきりに手を挙げ監督と主演俳優への質問のためにマイクを求めたからです。しかし時間の制約から、司会者は残念ながら打ち切らざるをえなかったことは確かです。

永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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