ファンという「家族」と、ともに高みへ~三遠ネオフェニックス・アソシエイトコーチ、ギリシャのエヴァンゲロス・マギラス氏に聞く

2025-26シーズン、アソシエイトコーチとして三遠ネオフェニックスで戦ったB.LEAGUE史上二人目のギリシャ人アソシエイトコーチ、エヴァンゲロス・マギラス(Ευάγγελος Μάγειρας/EVANGELOS MAGIRAS)。ブースターの声援を胸に、三遠ネオフェニックスという大きなひとつの「家族」のために大野ヘッドコーチの指揮のもと選手らと共に戦った彼は、2026-27シーズン再びその「家族」のために力を注ぐことを決断し帰って来た!

GreeceJapan.comは9月25日(金)・27日(日)茨城県水戸市のアダストリアみとアリーナで行われた茨城ロボッツ戦を2勝し開幕戦を連勝で飾ったマギラス氏に再び独占インタビューを敢行。三遠ネオフェニックスでの2シーズン目となる今、あらためてその想いを伺った。

インタビュー :永田純子(Junko Nagata)


茨城ロボッツ戦を前に微笑むエヴァンゲロス・マギラスAC

あなたが日本で過ごされるのもこれで2年目、そして三遠ネオフェニックスとの契約も2期目を迎えますが、2シーズン目も三遠と歩むことを決められた理由は何でしょうか。

まず初めに…日本に到着したその日から、当初の滞在予定期間だった5週間という短い時間から、私は日本という国、その人々、そしてその文化に魅了されたのです。もちろん私にとって最も大切だったのは、私への大野篤史ヘッドコーチの信頼であることは間違いありません。日本屈指の名将である大野氏が、私に彼の傍らでともに汗を流す機会を与えてくれたことは、何より光栄なことなのです。

それと同時に重要だったのは、チームと経営陣が私を信頼し、契約の延長を申し出てくれたということです。つまり、大野ヘッドコーチと経営陣の信頼が、私に三遠との協力関係を続けたいと思わせた最も重要な理由だったのです。

新たなシーズン、再び三遠ネオフェニックスの一員となれたことを心から嬉しく思っています。なぜなら、三遠は私に、単にチームの一員であるという思いだけでなく、「家族」の一員であるという実感を与えてくれますから。そう、私が初めてチームに合流したその時から、彼らは私を三遠ネオフェニックスという家族の一員として迎えてくれたのです。

今年は特に外国人選手を中心に、ロスターに大きな変化がありました。チームがひとつに結束するには、どれほどの時間が必要と思われますか。

ご指摘のとおり、三遠には今シーズン7人の選手が新たに加入しています。世界中のいかなるチームにとっても、選手間のケミストリーを生み出し、ひとつのチームとして機能するために必要な連携を得るには、長い時間がかかるものです。

しかし幸運なことに、新加入選手はいずれも素晴らしい人柄の優れた若者たちであり、何よりもバスケットボール選手として実にクレバーなアスリートです。このことは、我々が成しえようとしていることを多いに助けることでしょう。

他のチームと同じように、我々のチームも目標とするレベルに到達するには時間が必要ですが、これまでのチームの運営状況と新加入選手の仕上がりには非常に満足しています。

試合を重ねるごとに、そして日々、私たちはより強くなり、更なるケミストリーを生んでいくことでしょう。残念ながら怪我人の多かった昨シーズンを顧みれば、今シーズンは一歩前進できると信じています。

まずはプレーオフ進出、そしてもちろん、どのチームにとっても最大の目標である優勝を目指して、可能な限り勝ち進んでいきたいと思っています。

今シーズンでは、ギリシャの1部リーグ・ペリステリで昨シーズン活躍したジェイク・ヴァン・タバーゲン選手が三遠に加わりましたね。茨城ロボッツとの開幕戦2試合で彼のプレーを見ましたが、鮮やかなダンクシュートが印象的でした。あなたの祖国、ギリシャでのプレー経験がある彼ですが、三遠ではどのように馴染んでいるのでしょうか。

ジェイクは他の選手たちと同様、何よりもまず素晴らしい人格の持ち主で、だからこそ、私は彼の存在が非常に重要だと考えています。

昨シーズン、コーチ陣全員で行ったスカウティングで、ジェイクは最も私たちの注目を集めた選手のひとりでした。彼は私たちが求めるポジションに必要な資質をすべて備えていると感じましたし、これまでのところ、そのプレーで、コーチ陣が彼を選んだ理由を十分に証明してくれていると思います。

その他の外国籍選手、日本人選手についても同じことが言えます。私たちが下した決断は本当に素晴らしいものだったと考えていますし、時間が経ち、試合を重ねるにつれて、その正しさがさらに証明されていくであろうと確信しています。

今シーズンのチームの抱負と目標はなんでしょうか。

その質問にはもう答えてしまったのではと思いますが、あらためてお答えしましょう。まずは、皆が怪我なく健康を維持することが最優先事項です。昨シーズンのように怪我に悩まされることは避けたいですからね。

怪我はチームにとって大きな痛手でした。シーズン終盤にもう2、3勝していればプレーオフに進出できたところ、それが果たせなかったのはこれが大きな理由のひとつだったと思っています。

怪我なく健康であれば、まずプレーオフ進出というチームの第一目標を達成できると確信しています。そこからさらに決勝進出、そしてもちろんリーグ優勝を目指して全力で戦いたいと考えています。

昨シーズンのように怪我に悩まされることのないよう願っています。

確かに、スポーツにおける怪我はいわゆる「タイミングの悪さ」と関係していることも多いものです。まったく予期せぬ形で不運にも起こる怪我も多くあります。

しかしコーチングスタッフとしては、チームのトレーナーと緊密に連携しながら、できる限り最善を尽くすよう努めています。選手たちが身体と筋肉を十分に休ませる時間を確保し、怪我につながる過度の疲労からできる限り選手を守るよう心がけています。

したがって、チームのコーチやトレーナーが現在実施している予防策は非常に優れていると言えるでしょう。私たちにできることは、コーチやトレーナーの手に負えないような怪我が起きないことを祈ることだけです。

日本での生活から1年経ちましたが、日本に対する印象に何か変化はありましたか。

日を追うごとに、日本人、特にチームのファンの方々にますます愛着が湧いてきています。もちろんコーチングスタッフやチーム関係者の皆にもね。

日々、私と日本との繋がり、私の日本への愛は強くなるばかりです。なぜなら、日本は今や私にとって第二の故郷であると感じていますから。

日本語の学習状況はいかがでしょうか。去年より上達して、日本語で会話する機会も増えたのではと思いますが。

チームのコーチや選手たちに質問したり聞いたりすることで、少しずつ単語やフレーズを覚えています。少なくともいくつかの単語とその意味を理解し、基本的な日常会話の単語を少しでもよく発音できるように努力しています。

昨年遅い時期に始めたオンラインの日本語レッスンも再開する予定です。チームのメンバーとのやり取りだけでなく、日常生活で出会うすべての人たちとのコミュニケーションに、もっと自信を持てるようになりたいですから。

あなたはこれまでたくさんの日本料理を試されたと思いますが、一番好きな料理は何でしょうか。

日本で一番好きな食べ物は断然ラーメンです。寿司は間違いなく二番目に好きな料理ですが、今まで食べた中で一番美味しいものはラーメンです。一番好きな料理です。

豊橋でお気に入りのラーメン屋はありますか。

幸運なことに、チームのコーチングスタッフの一人がラーメンの「エキスパート」なんです!彼は私にいつも新しいラーメン屋を紹介してくれます。遠征で他の都市に行く時にもね。

おかげで私はいろんなラーメン屋でラーメンを食べる機会に恵まれています。正直に言うと、毎回「これは今まで食べた中で最高のラーメンだ!」と思っていますし、新しいお店でラーメンを食べる度に「これはもっと美味しい!」と感動しています。

だから、特定のラーメン屋を挙げるのは難しいですね。豊橋や豊川で食べたラーメンは、どこも本当に美味しいです。

昨年、チームのファンはまるでひとつの大きな家族のようだとおっしゃっていましたが、今年はファンの方々に何を伝えたいと思われますか。

まずは、ファンの皆さんのチームへの深い愛情にあらためて感謝したいと思います。

豊橋から、浜松から遠い茨城県水戸市で行われた開幕戦2試合を観戦するために、これほど多くのファンの方々が駆け付けてくれたことに本当に感銘を受けました。水戸はとても遠い場所です。それにも関わらず、ファンの皆さんは来てくれたのです。

遠方から駆け付けてくれた数多くのファンの皆さん…彼らが私たちに注いでくれる愛情は、すべての試合で、私たちがより良いチームに成長するための原動力となっています。

大野ヘッドコーチが常に語っているように、そして我々も全員がそれを理解し自分たちのものとして受け入れているように、私たちは何よりもまずファンの皆さんの愛と支援のためにプレーしています。その愛と支援に報いるために、ひとつひとつの試合でより良いプレーをし、全力を尽くすことで、私たちなりの方法で力の限り「ありがとう」と伝えていければと思っています。

三遠ネオフェニックスは本当に素晴らしいひとつの家族のようなチームで、だからこそこのチームは強い。これこそが三遠ネオフェニックスの強みなのです。

今日はお時間をいただきありがとうございました。皆さんの成功をお祈りしています。

まずは、開幕戦二連戦の勝利を祝うあたたかい言葉をいただきありがとうございます。そして、大野ヘッドコーチをはじめ、チーム経営陣の方々には、2年連続でこの「家族」へ、チームの一員として迎え入れていただいたことに重ねて心から感謝します。

私も、いただいた評価と名誉に報いるべく、最善を尽くしていきます。

永田 純子
永田 純子
(Junko Nagata) GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbywebの共同創設者。

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