桜が結ぶギリシャと日本の絆:パパステルギウ・トリカラ市長が語る

ギリシャ中央部に位置し、世界遺産「メテオラの修道院群」から約22キロの県都・トリカラ市は市民に様々な先進的なサービスを提供することを目的に市が主導するプログラム「e-trikala」を通じて、ギリシャでも最も革新的な都市として知られている。その革新性は2014年に公道上の特定の経路を運転手なしで走行する自動走行車両の試行プログラム「CityMobil2」の実施対象都市のひとつに12のヨーロッパの都市から選出されたことからも証明されている。

続く2016年には自動運転車両「CityMobil2」の技術を2020年東京オリンピック開催時に移転することを目的に日本から関係者が市に来訪。2018年には清水康弘・駐ギリシャ日本大使が市を訪問しパパステルギウ・トリカラ市長と会談、二国間における協力関係をはじめ医神アスクレピオスの庭園と日本庭園との繋がりについて話し合いが持たれている。こうして少しずつ、しかし確実に歩みを進めてきた2019年、市は市内を流れる川のほとりに桜の樹を植樹。記事に掲載の写真が示すように、樹は今年初めて花を咲かせた。

ギリシャと日本、両国の絆が桜の花を通して実を結んだ今、日本を愛するトリカラ市のディミトリス・パパステルギウ市長がGreeceJapan.comに語ってくれた。


ディミトリス・パパステルギウ市長

今、まさにこの時、ギリシャで生まれ、半世紀あまりを経て再び愛すべき日本で開催される世界最大規模のスポーツイベント・オリンピックまであと469日となりました。「日いづる国」-世にこう呼ばれる国、日本のことを我々は伝統、進歩、義務、信仰、そして革新の国として捉えています。桜を貴ぶ日本の人々に倣って、中央ギリシャに位置する我々トリカラの市民もまた、同じ樹に敬意を表したいと考えました。こうして、ギリシャ語で「忘却」を意味する名を持つ美しい川・リセオス川のほとりに2019年私たちはまず70本の桜の木を植樹したのです。

桜の木を選んだトリカラ市の農学者らの選択に間違いはありませんでした。春の、喜びのしるしとして、またその類まれな色彩により希望を運ぶ使者として、桜は常に我々に再生への、新たな方向への、決断への希望を抱かせるものであり、それは一帯を染め上げるその色彩とともに、絶えることなく魔法のように続く生命の環でもあるのです。

我々は互いに何千キロも離れていますー大地に、政府に、人々に、国に、そして風習や習慣に隔てられて。

しかし我々は技術と革新への愛によって結ばれています。世界で初めてトリカラで2015年に運転手を乗せないバスが公道上で実走を果たしたことを我々は誇りに思っています。さらに喜ばしいことに、日本の関係者の方々が我が市を訪れ、ともに協力して、この技術革新の次なるステップについて意見交換する機会を得ることができました。

我々と日本を結びつけるものはこれだけではありません。ラフカディオ・ハーン、祖先への敬意の念、他者に対する信頼-こうしたものが、両者を深く結びつけているのです。2018年に実現した清水康弘・駐ギリシャ日本大使との会談では、5500年に及ぶ歴史を持つ古代トリカラで、3200年前に生を受けたとされる医神アスクレピオスの植物園に隣接する地に、ハーンを記念する庭園を整備するという象徴的なアイデアについて話し合う機会を持つことができました。

このようにして、さくらんぼと桜の花、自然と生命が、さらに本質的に、よりいっそう強く、これほどまでに遠く離れた二つの国民をこうして近くに引き寄せるのです。

特に新型コロナウイルス感染症に代表される危機のさ中、連帯と相互協力の力は我々に家に止まるよう呼びかけています。たとえ未だに相まみえる機会がなかったとしても、我々の想いは常に友人である両国の人々と共にあるのです。

トリカラ市ならびにトリカラ市民より、咲き誇る桜の花の色を、日の光を見つめる国、日本のすべての皆さまへ、心からの挨拶をこめて。

第32回近代オリンピック・パラリンピック東京大会の成功を心よりお祈り申し上げます。

古代オリンピアから運ばれたオリンピック聖火が聖火台に灯されるその時、ギリシャは土曜日の明け方を迎えます。喜びをもって、ともに未来を見出すことが出来ることを楽しみにしています!

photo: 2019年トリカラ市がリセオス川のほとりに桜の樹を植樹した時の様子

地図


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永田 純子

永田 純子

GreeceJapan.com 代表。またギリシャ語で日本各地の名所を紹介する  IAPONIA.GR, 英語で日本を紹介する JAPANbyweb 、および 英語版ニュースのGreek.world の共同創設者。

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