ギリシャ人船主A・グランドリス氏亡くなる:長年に渡り日本の造船界の発展に寄与

2017年5月25日(木・現地時間)ギリシャ人船主の中でも最も重要な人物のひとりであるアレクサンドロス(アレコス)・グランドリス氏が死去した。90歳。

グランドリス氏は19世紀から船とともに生きるエーゲ海・キクラデス諸島のアンドロス島の一族の出身。1953年(昭和28年)から今日に至るまでの長年に渡る日本の海運界との協力関係で知られ、彼の築いた海運会社N. J. Goulandrisグループはこれまで実に69隻にも及ぶ船舶を日本の造船会社で建造し、日本の造船業の発展に多大な功績を残した。

1957年(昭和32年)に亡くなったニコラオス・I・グランドリスの息子として生まれ、1953年(昭和28年)兄弟のヤニス、レオニダスとともに家業の海運会社 Goulandris Bros を離れ自ら新たな海運会社N. J. Goulandris 社を設立。

同年N. J. Goulandris 社は同社初の所有船舶となるタンカー・レオニダス号(LEONIDAS)を旧・日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)清水造船所で建造。これが日本との長きにわたる関係の始まりとなった。

1957年(昭和32年)広島県・因島で行われたタンカー・VIOLANDA号の受渡式で。グランドリス氏が船の命名者・高松宮妃喜久子殿下と握手を交わしている。

また1957年(昭和32年)にはN. J. Goulandris社は当時日本で建造された中で最大級のタンカー・VIOLANDA号を建造。この船の命名者は大正天皇の第3皇男子・高松宮の喜久子妃殿下であったが、日本の皇族が外国船の命名者となったのはこれが初めてのことで、当時の日本の造船界におけるグランドリス氏の役割の大きさを物語っているといえよう。

続く1964年(昭和39年)にはN. J. Goulandris社が日本で建造した30番目の船舶となるバルクキャリア(ばら積み船)・TOKYO OLYMPICSを建造。引渡しの際には同社の代表の一人レオニダス・グランドリス氏へ、長年に渡る日本の造船業の発展に寄与した功績に対し、当時の運輸大臣・松浦周太郎から表彰状が送られた。

アレコス・グランドリス氏(写真中央・着席)、ローザンヌにて日本の造船業界の代表者らと。1950年代に撮影。(photo Greek Shipping Miracle – Andriaki Shipping Co. Ltd.)

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