「真理がわれらを自由にする」:国立国会図書館に生きるギリシャの精神

Greek

東京・永田町にある国立国会図書館は、昭和23年(1948年)設立された日本で唯一の国立図書館として、国会だけでなく広く日本国民に開かれた図書館だ。

図書館の利用者は、昭和36年(1961年)開館されたここ東京本館の目録ホールにある図書カウンター上部に刻まれた「真理がわれらを自由にする」という日本語と、その傍らのギリシャ語銘文を自然と目にすることになるが、この言葉が国立国会図書館法の前文として明記され、図書館の精神として66年もの間生き続けていることはそれほど知られていない。

昭和23年(1948年)起案された国立国会図書館法の前文には、法案の起案に参画した歴史家で当時の参議院図書館運営委員長であった羽仁五郎氏がドイツ留学中にフライブルグ大学図書館で目にした銘文をもとに、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」と記されており、このフライブルグ大学図書館の銘文は新約聖書・ヨハネによる福音書の一文「Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΣΕΙ ΥΜΑΣ」に由来するものとされている。

おそらく、図書館を訪れる者のほとんどが、刻まれた銘文を目にしてもそれがギリシャ語であること、そしてその由来は知りえないであろうし、またギリシャ人にとっても、自らの言葉が遠く日本の地で国立図書館設立の精神として採用され、法令の前文として、また銘文として今も生きていることは新鮮な驚きをもって受け止められることだろう。

憲法学者にして政治家であり、国立国会図書館・初代館長を務めた金森徳次郎氏の筆跡で刻まれたこの言葉は、遠く千年の時を越え、今も訪れる利用者たちに図書館設立の精神とその理念を語り続けている。

・今回の取材及び写真撮影を許可下さいました国立国会図書館の皆様にGreeceJapan.comより心から感謝申し上げます。

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