国分敬冶:五輪発祥の地ギリシャ・オリンピア市に眠る日本人

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ギリシャのアルヘア・オリンピア市(オリンピア市)は、オリンピック発祥の地である世界遺産・古代オリンピアの考古遺跡で知られ、一年を通じて世界各国から数多くの観光客やトップアスリートらを迎える町だ。

そんな訪問客らを迎える市の玄関口とでもいうべき旧市庁舎前広場に、ある人物の胸像が静かにたたずんでいるのに気づく者は少なくない。しかし、その人物が日本人であり、古代ギリシャやギリシャ哲学をはじめとした研究の功績を以って1981年(昭和56年)オリンピア市から名誉市民の称号を受け、その後オリンピア市と愛知県稲沢市との姉妹都市提携に尽力し、没後町中の人々が集う広場に胸像を建立されたと聞けば、誰もが驚くに違いない-その人物こそ、南山大学で名誉教授を務めた研究者の国分敬治(1907‐1997年)氏だ。

1987年(昭和62年)の姉妹都市提携の調印から10年後の1997年(平成9年)惜しまれつつもこの世を去った国分教授だったが、姉妹都市提携15周年である2002年(平成14年)には記念事業の一環としてオリンピア市旧市庁舎前広場の一角に胸像が建立され、除幕式が盛大に行われた。この胸像の台座には故人の遺志により遺灰の一部がおさめられた。

今年7月には、胸像が見守るこの広場で、アルヘア・オリンピア・フェスティバルのプログラムのひとつとして東京大学の学生らを中心とする古代演劇クラブのメンバーによるメナンドロスのギリシャ喜劇「エピトレポンデス」が上演され好評を博した。

 

今もなお町の人々から「コクブセンセイ」と呼ばれ尊敬の念を集める一人の日本人は、愛したオリンピアの考古遺跡を背に穏やかにギリシャと日本の絆を発信し続けている。

Photos © GreeceJapan.com

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